会社設立登記


会社法の施行により、株式会社の設立に関する手続きが大きく変わりました。改正前までは、株式会社の資本金は10000万円、有限会社の資本金は300万円を下ることが出来ませんでしたが、会社法の施行によりこの最低資本金制度が廃止され、資本金1円(理論上は0円)からでも株式会社を設立することが可能となりました。

改正前までは、同一市町村内において同一の営業のために他人が登記した商号と判然区別することができない商号(いわゆる類似商号)の登記はできないとされていましたが、類似商号規制により迅速な会社設立手続きの障壁となっている点や、商号が同一でも会社の目的さえ異なれば、実際の営業の内容にかかわらず同一市町村内において登記をすることを妨げられない等の問題点が指摘されていたため、会社法施行後は、この規制が廃止されることとなりました。これに伴い商号の仮登記制度も廃止さました。今後、これらに関する規制のうち、実質的に弊害のある部分については、不正競争防止法に基づく差止請求権や損害賠償請求権によりカバーされることとなります。

株式会社の設立手続きには、発起人が設立時発行株式のすべてを引受ける方法によって行う発起設立と、設立時発行株式の一部を発起人が引き受け、その他の設立時発行株式を引受けるものを募集する方法によって行う募集設立がありますが、実務上は発起設立による方法で設立手続きを進めるケースが大半です。ただし発起人としての責任を負わない形で出資者となるなどのニーズから募集設立を選択するケースも皆無ではありません。

株式会社を設立するに際して、会社の組織・活動に関する根本規則を定めるための定款を作成する必要があります。定款は、私的自治の原則からその内容を自由に定めることが出来ますが、強行法規や公序良俗に反する内容を定めることはできません。定款の記載事項には、記載を欠くと定款が無効となる絶対的記載事項(会社法第27条)と定款に記載がないと効力が生じない相対的記載事項(会社法第28条、29条)、定款外で定めることも可能で、かつ定款に記載がなくとも効力には影響がない任意的記載事項があります。会社の商号や本店所在地、会社の目的、運営、機関設計のあり方など、会社の基本的な枠組みを定めます。定款作成後は、公証役場において公証人の認証を受ける必要がありますが、現在は、オンライン申請システムを利用した電子定款認証が主流になりつつあります。電子定款認証嘱託方法を利用すれば、印紙代4万円を節約することが出来ます。


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