会社法と会社の登記
平成18年5月より、商法が大幅に改正され、新しく会社法が施行されることとなりました。旧商法では、株式会社は市場より会社の株主となる者を募集し資金を調達することを基本とし、資本と経営が分離していない同族会社を例外的な存在として位置づけていましたが、現状では、株式会社の約8割が資本金10000万円、株式会社全体の9割以上が資本金2000万円以下で株主の変動がほとんどない同族会社であり、名前だけの監査役や取締役が多数存在するなど、様々な問題点が指摘されていました。
そこで、新しく施行された会社法では、有限会社を廃止して株式会社に一本化し、非公開会社(いわゆる同族会社)を基本とし、公開会社(店頭公開、上場など)を例外的な会社として位置づけ、今までの有限会社は株式会社として存続することとなりました。また最低資本金制度の撤廃や機関設計の柔軟化など、現在の社会情勢にふさわしい法律として再構築されました。会社法として変更された主な点は次のとおりです。
- 株式会社と有限会社を統合し、会社法施行後は有限会社を設立することは出来ません。今までの有限会社は株式会社として存続することとなりますので、原則として株式会社に関する規定が適用されますが、改正前の有限会社に認められていた一部の規定について特則を設け、同様の取り扱いをすることが可能とされています。
- 最低資本金制度が撤廃されました。資本金を1円とする株式会社を設立することも可能となりますので、これからは起業がしやすくなります。
- 改正前の株式会社では取締役は必ず3名以上必要で、取締役会が必須機関でしたが、改正後は取締役1名も可能で、取締役会設置の有無も自由に設計できます。
- 合同会社制度が新しく創設されました。出資者はすべて有限責任社員であり、会社の内部関係規律は、組合的規律が適用される持分会社のひとつで、「日本版LLC」と呼ばれることもあります。