株式分割の登記


株の流動性が低下し資金調達に支障をきたしている場合に、株式分割を利用すれば、発行済株式を細分化し株価を下げることで、株の流動性を上げることができます。たとえばある株式会社の株価が1株100,000円まで上がり株の流動性が低下していた場合に、株式分割を利用し、1株を10株に分割すれば、1株あたりの株価が10,000万円まで下がりますので、会社に出資する者が増え、株の流動性を回復することができます。

株式会社は、株式の分割をしようとするときは、1.株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、会社法183条2項3号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日、2.株式の分割がその効力を生ずる日、3.株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類を定め、取締役会設置会社においては取締役会の決議、非取締役会設置会社においては株主総会の普通決議が必要です。ただし種類株式発行会社においては、株式の分割によりある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が2以上ある場合にあっては、当該2以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。)の特別決議が必要です(会社法第322条1項2号、同法第324条2項4号)。

株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、会社法第183条2項1号により定めた基準日の2週間前までに、当該基準日及び株式分割の内容を公告しなければなりません(会社法124条3項)。そして基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている会社法第183条2項3号の種類の種類株主)は、株式分割の効力発生日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、会社法第183条2項3号の種類の株式。)の数に株式分割の割合を乗じて得た数の株式を取得します。 現に2以上の種類の株式を発行している種類株式発行会社を除き、株式会社は、株式分割の効力発生日における発行可能株式総数が、その日の前日の発行可能株式総数に株式分割の割合を乗じて得た数の範囲内であれば、取締役の決定(取締役会設置会社においては取締役会の決議)によって定款の変更をし、発行可能株式総数を増加することができるます。


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