労働基準法
労働基準法の基本理念を同法第1条において、次のように定めています。
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならず、
労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」
すなわち労働基準法は、労働者が人として生活を営むための最低限度の労働条件を定めたものであって、使用者はさらにこれを向上させる努力義務を負うとしています。
労働基準法は、労働条件を定めるにあたって基準となる考え方を第一章の総則で次のように定めています。
- 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。
- 労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。
- 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。
- 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
- 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
- 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。
- 使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。